2013.03.27 Wednesday

「強姦してもいい場合」とキスフレ

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    「キスまでする男友達「キスフレ」、36%の女性が「いる」と回答!」 という記事。

    「キスフレ」というのは、“エッチまではしないけど、キスまでする男友達”のことだ。
    スマートフォン向け女性限定の完全匿名掲示板「GIRL'S TALK」での調査。
    “「キスまでなら、ある程度欲求も満たされて罪悪感もそこまでないから絶妙の関係」「エッチしたら浮気だけど、キスまでなら、浮気じゃない」”んだそうですよ。

    しかも、
    「"キスフレ"のことは好き?」の質問には、64%の人がNO、"キスフレ"とは真剣な恋愛に発展する?」には、75%の人がNOと回答、「彼氏とキスフレは別物?」という質問に対しては、58%の人が別物と回答するなど、"キスフレ"は、本気の恋とは違う
    のである。

    つまり、キスしたからといって、深い仲になったと思ったら大間違いという罠。罠がまたひとつ増えましたよ、ボンクラの野獣たちよ!
    それでなくとも勘違いの多い男のアンテナに、またも新たなる妨害電波。
    わかっております。
    「こっち見てるから、俺に気があるな」は罠。
    ただ「へんな顔でおもしろーい」もしくは「こっち見んなよキモイだろ(にらみ返す)」とかって可能性のほうが大。
    「食事に誘ったら、素敵なミニスカート、これはいける!」も罠。
    「お前に見せるためのミニスカートじゃないんだよ、こら」でしょ。

    でも、キスフレとか言いだしたら、罠というか、もう半ば溶けかかってるというか、アイスのコーン、下が柔らかくなってこのままじゃ漏れちゃうみたいな、何を書いているのか分からなくなるぐらい混乱したってしょうがないじゃないですか。
    「キスしたけど、べつに好きじゃないもん」って罠は、もう罠じゃないじゃないか。ボロボロな駝鳥じゃないか。それはー、なんぼなんでもーって、声も天から響き渡るんじゃないでしょうか。
    と思いながら、いや、これは単に俺がおっさんになっただけだという可能性は、ある。

    筒井康隆のエッセイを思い出す。
    『虚構船団の逆襲』に収録されている「強姦してもいい場合」。
    初出は『太陽』昭和50年9月号。
    こうはじまる。
    “強姦されたかされなかったか、そんなことはほんとはどうでもいいことなのだ。とにかく女性は二十六歳である。”
    どうやら、男性のマンションについていって強姦された女性が告訴するという事件があり、それについて書いているテキストなのである。
    “しかしもしぼくが深夜二十六歳の女性と自分のマンションに一緒にいたとしたら、これは当然行動を起こしている。たとえ相手が拒否しても、そしてまた、仮にぼくが教授であったとしても絶対に強姦している。” “だからぼくの常識では、こういった場合、たとえまかりまちがえば強姦罪に問われることを覚悟してであっても、強姦した方がいいのである。それが常識を持った人間としてごくまともな行為であれば、たとえ法律上は強姦罪が成立しても、男としてはやらなければならない行為なのである。”
    と、強い調子で書いている。
    筒井康隆ファンのぼくでも、さすがに「ひゃー感覚がおっさんだわー。なんぼなんでも強姦はダメでしょ」と思った。

    そして、とうとう、キスまでいっても、いい気になってはいけない感覚まで行きついたのだ。
    その場、その場で確認して、恋愛もお互いの合意のうえで進める、という、これは、もうまったく正しい、正しい契約社会に、恋愛も突入したわけである。
    こうなれば、もう恋愛を感覚や感性にまかせていてはいけない。
    契約書だ。
    契約書を交わそうじゃないか。まずはハンをついてからだ。
    そしたら、俺が突いてやる。ドン!
    2013.03.19 Tuesday

    なぜ葬儀代は高かったり安かったりするのか。

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      “都心では、お寺を持たないフリーのお坊さんが葬儀屋の間で引っ張りだこになっているそうです”
      “彼らのことはプー太郎坊さんと呼んだほうがいいかもしれません”
      どこかで葬式をしていると聞けば、勝手に上がりこんで、読経に参加。お布施をもらうそうだ。(『イラスト図解お寺のしくみ』P172より)
      勝手にやられるのは困りものだが、フリーのお坊さんの出現は、時代の必然の流れかもしれない。

      というのも、お寺に葬儀を依頼すると、高い。
      高いのには理由がある。檀家制度がしっかりと機能していた時は、代々の家系とお寺の関係性があった。
      その人とお寺の生涯の付き合いの感謝の気持ちと考えれば、お布施の額は、高くない。
      だが、すでに「家」が崩壊し、継続的な付き合いがなくなってしまった状況では、法外な値段としか思えない。

      そうなってくると、故人と付き合いがなく、葬儀後も遺族と付き合うこともない「葬儀社と契約したその場限りのフリーの坊主」のほうが値段的にも適していることになる。

      「檀家制度に安住していては先がない」と、お寺の改革が次々と行われている。
      檀家ゼロ、葬式法事はしないNPOが運営する應典院
      宗派を超えたインターネット寺院「彼岸寺」
      お寺カフェ、お寺の音楽会「誰そ彼」を開催する光明寺
      第二の人生、僧侶はいかが? 臨済宗妙心寺派が定年退職シニア募集も、試みのひとつだろう。

      正直な気持ちとして、「家」と「お寺」の永続的な付き合いが失われていくのは、なんだか寂しい気もする。だが寂しいと嘆いているだけでは始まらない。
      時代は流れていく。
      だから、その流れに棹さして、より善い未来に向きを変えていく必要がある。
      その現場は、楽しいだろう。

      参考文献
      ・井上暉堂『イラスト図解 お寺のしくみ』
      ・松本圭介『東大卒僧侶の「お坊さん革命」』
      ・虚空山彼岸寺『お坊さんはなぜ夜お寺を抜け出すのか?』
      ・中島隆信『お寺の経済学』
      ・WEB通販生活舞台裏座談会シリーズ新世代僧侶の巻
      ・WEBビジスタニュース池田チエ「となりのお坊さん」
      2013.03.15 Friday

      たばこ税とゲーム税と条件反射税

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        『最も上げて欲しい税金』、1位はたばこ税という記事。

        ぼくはタバコを吸わない。
        吸いたいとも思わない。
        隣でタバコを吸う人が嫌いかどうかというと、まあ、そんなところで判断はしない。

        高齢な人はしょうがいないとも思う。
        だいたい健康に悪いなんていう実感がなくて、タバコを吸うのがカッコ良いとされた時代があったわけだ。そのときに吸いはじめ、いまでもやめられない。
        それは、それで、いいよね、と思う。

        若くてタバコ吸う人がいると、ちょっと複雑な気持ちだ。
        いまや、「タバコを吸うのはカッコ悪い」というほうがポピュラリティがあるだろう。
        立命館大学では、喫煙ボックスがあって、そこでしか吸えなくなっている。電話ボックスのちょっと大きめみたいなところでタバコを吸ってる姿は可哀相だ。「未来の動物園に『人間』って檻がある」ってジョークがあるが、それを連想させる。残酷だなーと思う。
        ちかぢか校内全面禁煙になるという告知も目にした。
        悪者みたいに扱われるし、肩身は狭い。
        それなのに、なんで吸っているんだろう、と疑問に思う。

        どちらにしろ、ぼくはタバコを好いてはいない。
        コラムニストの石原壮一郎さんが「たばこの嫌い方でその人の本性がわかる!?」という記事で、こう書いている。
        たばこに対して露骨にイヤそうな顔をしている人を見ると、たばこが世の中的にすっかり悪者にされているのをいいことに、遠慮なく罵って気持ちよくなっているように思えてしまいます。ああ、この人は、私は良識派ですみたいな顔をしているけど、きっと何かあったときは、強い側について弱いものいじめを平気でするタイプの人なんだな、とさえ思ってしまいます。さらに、与えられた「正義」を振りかざしてしまえる単純さに呆れたり……
        そういう人もいるだろうけど、そうじゃない人もいるだろう。本当にタバコの煙が嫌でしょうがない人だっていたっていい。それぞれが、譲り合ったり、話し合って決めたりすればいい。
        石原壮一郎さんが呆れたのは、「正義」を振りかざす単純な人に対してだ。マナーを守るなんてのは当たり前のことでそこに論点はない。にも関わらずひとの悪い石原節にコロっとひっかかって簡単に釣られ、タバコ嫌いタバコ嫌いっていう単純な条件反射の書き込みでコメント欄が荒れる。
        そうやって、ああ、本当に単純な正義を振りかざす人がいるんだよなぁと可視化される。

        『最も上げて欲しい税金』、1位はたばこ税って記事で、その理由が以下のように述べられる。
        『最も税率を上げてもいいと思う税金』について。1位になったのは【たばこ税】。「タバコが大嫌いなので」(東京都/20代/女性)など、女性には嫌煙家が多いようだ。また、男性についても「自分は吸わないから」(東京都/20代/男性)と、最近では吸わない人も増えていることが大きな理由となっている。

        「タバコが大嫌いなのでタバコ税を上げろ」って、税金を罰則のように考える発想。
        こんな単純な思考がエスカレートすれば、なんでもいける。
        ゲームはうちの子の勉強のさまたげになるからゲーム税を! 酔っ払いは迷惑だからヨッパライ税を! おっさんは臭いのでおっさん税を! 隣人は往々にして迷惑なので隣人税を!

        単純な条件反射に税金を課せばいいのにね(←暴論)。
        2013.03.06 Wednesday

        「優越の錯覚」という錯覚

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          ドーパミン:量が多い人ほど「自分は優秀」と錯覚 放医研チーム発表という記事。



          「自分は平均より優れている」と錯覚してしまう現象を「優越の錯覚」と呼ぶそうだ。

          “山田真希子主任研究員らは、日本人男性24人に「正直」「温厚」「怒りっぽい」などの性格を表す単語を示し、自分が平均的な人と比べてどれくらい上か下かを点数で評価してもらった。”

          “その結果、人並み以下と答えたのは2人だけで、全体では平均で約2割他人より優れているとなった。”

          さらに、“脳を画像診断したところ、自己評価の高い人ほど、ドーパミンを出す部位「線条体」の活動が活発な一方、状況を判断する役割を担う前頭葉の働きが弱くなっていた。”



          もし「優越の錯覚」が、本当に「錯覚」で、現状認知が間違っているのなら、そのために多くの悲劇が起こってるだろう。

          “適度な錯覚は自分を肯定的にとらえ、心の健康に重要”なんて、簡単に言っていいのだろうか。

          「俺は優れた指導者だから、これぐらいの体罰は普通だ」と錯覚して、ひどい体罰を続けることもありえる。

          極論すれば「優越の錯覚」が差別や戦争に結びついているとさえ言える。

          もちろん、こういった極論を排したいために“適度な錯覚”なんていう連結語句を持ち出しているのだろう。

          だが、適度にコントロールできる錯覚なんていう考え方そのものが錯覚だろう。

          脳科学の成果が、なんというかライフハック的なぺらっぺらな理解で語られる。「優越の錯覚」なんて、いかにもそういうふうに使われやすいキワードに落とし込むことで、ぺらっぺら化が加速する。

          優越感や、悲しみや、抑鬱は、そんなに単純なものじゃない。脳内で分泌される一種類の物質だけで、仕組みが解明されたとか言えるもんじゃない。



          いや、それよりも、そもそも、ものすごく「怒りっぽい」人は「こんなテスト受けてられるか」「たった24人のテストで平均かどうかとかってバカじゃないか」と怒って拒否するだろう。

          そう考えると、この実験に協力した人は、人並み以上に「正直」「温厚」な人ばかりで、錯覚じゃなくて、ちゃんとした認識かもしれないよね。
          2013.02.28 Thursday

          新幹線を快適に使う最善の方法

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            航空機での出張 「エコノミークラスで十分」は本当なのかというJCASTの記事。
            しゃ、しゃらくせい。
            どっちでもいい。
            乗りたいほうに乗ればいい。
            っつーか、
            飛行機、ほとんど乗らない。
            ので、よく分からない。
            だが、新幹線なら乗ってる。
            毎週火曜、立命館大学に教えに行く。
            そのため東京―京都で新幹線通勤。
            だから、新幹線に関しては言える。
            とにかくEX-ICサービスを使え!

            年に4回以上新幹線に乗る人。
            EXカードだ。
            便利。めちゃくちゃ便利。
            改札でカード、ピッで乗れる。
            Suicaみたいに新幹線に乗れる。
            立ち止まることなし、停滞なし。
            在来線からの乗り換えも
            カード2枚重ねでピッで行ける。

            登録する手間はあるけど、
            それさえ済んでしまえば、
            新幹線の乗り降りが超便利。
            PCやケータイ、
            iPhoneなどで座席予約可能。
            新幹線に向かう途中で予約して、
            そのままEXカードで
            ピッで乗り込めばスムーズ。

            しかも、
            使うとポイントがたまる。
            たまったポイントで、
            グリーン車に乗れるのだ。
            嬉しい。
            ときどき、疲れたときや、
            あっ普通車が満席ってときに、
            ポイントでグリーン車に乗る。
            たまの贅沢。
            おしぼりがあるのが
            いいよねグリーン車。
            2013.02.18 Monday

            ツイッターと『桐島、部活やめるってよ』と現代の錯綜

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              『桐島、部活やめるってよ』DVDリリースしてたので観た。
              神木隆之介演じる前田涼也は、映画部にいる映画大好きボンクラ少年。
              顧問が押しつける脚本を拒否して、自分たちが作りたいゾンビ映画『生徒会・オブ・ザ・デッド』を撮影していく。ってのが主軸(といっていいのか)。

              スクールカースト的に下層であったオタクの前田くんが、映画館(鉄男!)でクラスメイトの美少女と出会うなんてのは、映画好きボンクラ夢想ジャストミートで、まっすぐすぎるほどまっすぐ。
              どの世代だろうが(ボンクラ男子であれば)共感し感情移入できる普遍的な青春映画だ。

              普遍的でありながら、同時にこの映画がとても現代的なのは、視点の在り方だろう。
              時間をシャッフルし、同じエピソードを視点を変えて繰り返す。
              従来の青春映画なら、映画部の前田くんを軸に押し進めただろうが、この映画では、それ以外の、リア充なイケメン男子、リア充女子、吹奏楽部の部長、さまざまな人物の視点から同じエピソードが描かれる。
              それぞれの視点から映し出されることによって、ひとつの現実が人によって異なるものとして感じられていることが分かる。
              一視点からしか見えていない登場人物たちより、起こったことの全貌は、詳しく観客に手渡されるが、すべてが判然とするわけではない。欠けたピースが残ったままになっている。

              『桐島、部活やめるってよ』を、たとえば1980年代に観ていたら、どう感じていただろうか。なんだかバラバラで、散漫な作品だと思ったのではないか。主人公じゃない人がいっぱい描かれていて、物語が一直線に進んでいかないので、なんだか分からない!
              ところが、現代の我々は、この錯綜し、いきつもどりつし、多層的に描かれる物語を、リアルに感じる。

              インターネットの登場で、個人が情報を発信できるようになった。たとえば同じ事件について、いままでだったら公にできなかったようなさまざまな考えが表現できるようになり、さまざまな人がいることがツイッターなどで可視化されるようになった。
              多様な視点がバラバラに編み込まれて並べられる情報網にまみれて生きている。
              その物事の捉え方の変化は、我々が想像するよりも影響の大きいことだったのではないか。

              そして、その捉え方が、へんなふうに悪用されるのではなく、他者について想像を巡らせることに使われれば、映画のラストシーンで、スクールカースト的に隔たれていた二人が認め合っていたように、我々はお互いをもっと認め合うことが可能になるのではないだろうか。
              2013.02.14 Thursday

              ジンバブエとコーヒーと高く飛べる鳥

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                ジンバブエ「国庫残高217ドル」の焦りというNewsweekの記事。

                記事をちょっと整理してみると、
                1:ジンバブエが2億%以上のハイパーインフレに!
                2:なんとか危機を脱するがまだ大変。
                3:「先週、公務員の給与を支払った時点で、国庫金の残高は217ドルになった」と、ジンバブエのテンダイ・ビティ財務相が語る。
                4:「国庫残高217ドル」発言が世界中で報じられる。
                5:「マスコミ報道は悪意に満ちていて迷惑だ」とテンダイ・ビティ財務相が語る。
                6:「国庫金が217ドルになった翌日には、3000万ドルの歳入があった」「伝えたかったのは、選挙と国民投票を実施する財源がないという点だ」と語る。

                つまり、国庫残高217ドルのところばっかりわーわー言って迷惑だ、選挙と国民投票を実施することが困難である状況について報じてくれ、考えてくれ、と言ってるのだが、またも“ジンバブエ「国庫残高217ドル」の焦り”と報じられて話題になるというループ。

                悪意というよりも、ひとはついつい自分の身近なものと比べて想像してしまうということなのだろう。
                「国庫残高2万円、いまなら俺の預金高のほうが勝てる!」という軽口を言いたくなる。
                さらには、このニュースからむりやり個人財テクの話に持ち込むようなナンセンスまでもまかり通ったりする。
                あまりにも構造が違いすぎる国庫残高と個人の預金を比べてもしょうがないはずなのに。
                ぼく自身も、ジンバブエの国政や財政がどうなっているのか、よく分からない。想像が届かないほど遠い。
                調べて、事実を知って、想像の距離を伸ばす。そうすべきだ。
                『ハイパーインフレの悪夢』を読んで、「1杯5000マルクのコーヒーが、飲み終わったときには8000マルクになっているのだ」という状況を想像したり、100兆ジンバブエ・ドル紙幣を発行したというニュースや、その後の発行停止から、状況を想像する。もっと調べて、もっと考えて、想像の距離を伸ばす。そうして、どう行動するかを考える。
                けれど、世界中にさまざまな問題があり、さまざまな興味の対象がある。
                すべてを調べ、知ることはできない。すべてに自分の想像を到達させることはできない。
                遠くで困っている人たちへの想像を育てるよりも、先にしたいことがある(しかも「LOST」の続きが観たいとか、そんなことだ)。
                無力を感じる。感じるけれど、それを当たり前だと思わないようにしよう。いつまでも自分の無力とのんびりと戦っていこう。

                「どんな鳥も想像力より高く飛べる鳥はいない。人間に与えられた能力のなかで、1番素晴らしいのは想像力である」
                寺山修司の言葉だ。

                関連記事:照れ照れしている子供を叱らないで
                2013.02.10 Sunday

                仕事に追われること、会社を辞めたこと、弱いロボットのこと

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                  経済成長っているの? 30代で脱サラ 「減速」生活という東京新聞の記事。

                  ゲーム会社に勤めていた。役職で給料も良かったが、2000年に会社をやめた。
                  お金のためにイヤイヤ何かをやるのはやめにした。やりたいことだけを引き受けるようにした。自分を消耗させないことを、魂込められることを、そういったことをやろうと思った。
                  とはいえ、まだまだ無力。やりたいことをやりたいようにできている訳じゃない。どうにか、やりたい方向にむかっている。よろよろと歩いているといった感じだろうか。
                  仕事に追われるのではなくて、仕事を追っていくようにしたいと思った。

                  連想するのは、弱いロボットのことだ。
                  「ケアをひらく」シリーズの一冊『弱いロボット』(岡田美智男/医学書院)に登場するゴミ箱ロボットは、自分でゴミを拾えない。
                  よたよたと移動し、ゴミの近くに行く。それを見たひとがゴミを拾って、ゴミ箱ロボットの中に入れると、ロボットは小さく会釈する。

                  これまでは、ロボット自身の機能や能力を向上させることを目指していた。より強く、より精巧に。
                  だが、『弱いロボット』に登場するロボットは目指すベクトルが違う。「一人で何でもできてしまう自律的なロボット」ではなく、「一人では何もできない、でも誰かのアシストがあればできる」ロボットだ。
                  他力本願な、弱いロボットだ。
                  「なんだこれは?」と広場のゴミ箱ロボットに近づくこどもたちが、ゴミを拾う。こどもに世話をされるロボットたち。

                  ホンダの二足歩行ロボット「アシモ」の歩き方は、それまでの歩き方とまったく違っている。
                  それ以前のロボットは、重心を安定させ、片足をバランス崩さないように慎重に前に進めて移動した。地面がなくても、足の動きは変わらない。自律した歩行だ。
                  ところが「アシモ」は、足を出してバランスを崩す。前に倒れるようにして、その後、踏み出した足が地面に支えられる。地面に支えられる未来を信用して、バランスを自分の外にはみださせるのだ。
                  自分以外のものに賭ける。信頼する。自分の外にあるものに委ねる。そうすることで、あの「歩き」は実現している。

                  自分だけの能力向上にこだわりすぎると見失ってしまう。つながっていくためには「弱さ」や「できないこと」はチャーミングで大切なキーとなる。

                  「スモールイズビューティフル」という言葉で、経済学者シューマッハーが大量消費に異議を申し立てたのは1973年、40年前だ。
                  長嶋茂雄は言った。「野球の球は小さいけど、よくよく考えてみれば、あの小さな球に人生を振り回されている。喜びも悲しみも全部詰まっている」

                  小さいこと。
                  弱いこと。
                  ゆっくり歩くこと。
                  それが、妥協の産物ではないこと。
                  他者を信頼すること。
                  他者に委ねること。
                  他者につながっていくこと。
                  それを持続させること。
                  そういった豊かさについて、もっと考えたいと思う。
                  2013.02.08 Friday

                  「自分はオタクだと思う」とかアンケートに答えるオタクはニセモノということで、ひとつ。

                  0
                    【All About News Dig】連動エントリー


                    20〜40代男性の過半数、「自分はオタクだと思う」という「BusinessMedia誠」の記事。

                    「オタクが何を指しているのかまず定義してからじゃないと答えられません」と言ってアンケートに答えないのが正しいオタクだろうよ、な、な、と思うのだが、もはやオタクという言葉はそのような意味に使われてないようだ。
                    「完全にオタクだと思う」が8.1%、「ややオタクだと思う」が24.1%、「どちらかといえばオタクだと思う」が22.1%と、合わせると過半数の54.3%が何らかの意味でオタクだと認識しているようだ
                    さらに、「どのジャンルのオタクか」という結果を見ると、 アニメ、漫画、ゲーム、鉄道、アイドル、フィギュア、同人誌、コスプレと並んでいる。
                    つまり「昔はこどもの趣味だと考えられていたモノに大人になってもハマっている」ぐらいの感覚で使われているっぽい。
                    クールジャパン(笑)とかゆーやつなー。

                    おそらく、オタクと自認している人の中には、ただただアニメが好きとか、漫画が好きとか、ゲームが好きとか、そういった人も含まれているのだろう。
                    日本の言葉は、すぐにぼんやりと何でもかんでも取り込んでしまう。パフォーマンスという言葉が最初は特別な何かを示していたと思っていたら、あっという間に何かやるとすべてパフォーマンスと呼ばれるようになったように。

                    日本人総オタク化現象は、ただ、そのまま素直に、何のひねりもなく「何か」を受け止めることがむずかしくなってきたからじゃないか。
                    映像を止めて、巻き戻して、コマ送りすることが可能になった。膨大な量の作品にいつでもどこでも接することができるようになったため、選別する必要がでてきて、制作者や背景に詳しくなる必要がでてきた。
                    そうなると、むかしのように、流れている番組を、わははと笑ったり、泣いたり、何も考えずに受け止めることはむずかしい。
                    作り手も、受け手の変化に応じて、メタ構造をしくんだ作品やら、謎を仕込んだものやら、わーわーと議論を呼び起こすような仕掛けを、あれこれ組み込んでくる。
                    「2次元、2.5次元、3次元、どの女性が好きですか」と聞くと、「3次元」が65.8%と圧倒的で、「2次元」が23.0%、「2.5次元」が9.6%、「その他」が1.6%で続いた
                    いや、だから、「2次元、2.5次元、3次元って何を指しているのか定義してからじゃないと答えられない。いや、そもそもジェンダーがこれほど揺らいでいる現代において女性とは何かということを定義せずに質問するなんて失礼ですよ」そう答えてこそ、オタクじゃないか。
                    というわけで、アンケートに自分がオタクだと答えた人は、みんな偽オタクっつーことで、円グラフ書き換えの刑に処す。

                    BGMは、フランス(←嘘。アメリカ、ミネアポリスだった)のオタク文化大好きネットラジオFriends Foreverから流れているFurukawa-PのGood Morning Emma Sympson Rimix でした。むだに消費を煽るクソおやじども詩ニヤガレって歌も流れはじめますよ。

                    って、「インターネット調査」なのか。それなー、どうよなー。
                    2013.01.31 Thursday

                    会社の成長性と安定性の見分け方とダッコちゃん

                    0
                      【All About News Dig】連動エントリー


                      子ども、孫に勤めてほしい会社はどこという記事。

                      子どもに勤めてほしい会社はどこですか? 20〜60代の男女にアンケートしたところ、
                      1位:トヨタ自動車
                      2位:全日本空輸
                      3位:任天堂
                      4位:三菱東京UFJ銀行
                      5位:サントリー
                      という結果。
                      また、孫に勤めてほしい会社は、
                      1位:全日本空輸
                      2位:トヨタ自動車
                      3位:三菱商事
                      4位:武田薬品
                      5位:日本放送協会(NHK)
                      という結果。

                      思い出す、およそ25年前。
                      ぼくは、大学を卒業してコンピュータゲームを作っている会社「コンパイル」に入社することにした。
                      そのときに、おばさんに言われたのは
                      「なんで、そんなところに!? あなたダッコちゃんって知ってる?」
                      ダッコちゃんというのは、1960年に発売されたソフトビニール人形。両手脚が輪っかになっていて腕にしがみつく(コアラみたいに!)人形だ。
                      製造が間に合わなくて、整理券のダフ屋が出るほどの大ブーム。六ヶ月で240万個が売れた。
                      が、あっという間にブームは去り、そのせいで販売会社が倒産したとかなんとか都市伝説が流布したりした。
                      「テレビゲームなんてダッコちゃんみたいなものだから、来年にはなくなるわよ」
                      そう言うのだ。
                      少なくとも、当時、多くの大人は、「コンピュータゲームの会社に就職する」ことをそういったイメージでとらえていた。
                      ところが、ゲーム業界はその後、大躍進。
                      「息子をゲーム会社に行かせたいのだが、どうすればいいのか」という相談を毎年受けるようにもなった。
                      さらに、今では、ぼくは立命館の映像学部で教えている。そこにはゲーム会社に就職したいとがんばっている学生がたくさんいる。
                      有名ゲーム会社へ就職することは、狭き門となっているのだ。

                      当時人気だったのは、日本航空、東京海上火災、住友銀行、日立製作所などなど。
                      そう考えると、少なくとも「安定性&成長性」なんて未来予知は、あてにならない。そんな長期的な予測が可能なら就職よりよほどよい道があるだろう。
                      安定や成長なんてのは、企業から与えられるものではなくて、自分達で作り出すものだ。それを忘れて、何かに寄りかかって安定を手にしようとしたとき、時代の変化に翻弄されることになるだろう。
                      学生から「会社の成長性の見分け方って何ですか?」と聞かれたことがある。驚いた。一応、基本的な業績の見方や、会社じゃなく職種やジャンルの将来性を調べることを喋ったりしたが、「でもね、自分が働くんだから、自分が成長させてやるって思考が必要だよね」と言った。理想論ではない、当然の話だ。

                      それにしても、孫に勤めて欲しい会社5位「NHK」の理由。
                      テレビの時代だから(60代男性)
                      にいたっては、ズコーッって孫はひっくりこけてるだろうな。

                      【オマケ】
                      ぼくの甥っ子に入社してほしい会社ベスト5
                      1位・カルビー:「じゃがりこ」新バージョンの試食させてほしいから
                      2位・有限会社ザリガニワークス:これじゃないロボの会社! これじゃなーい!って言ってほしい
                      3位・mixi:SNSの時代だから
                      4位・東京糸井重里事務所:会社がかっこよかったから
                      5位・TSUTAYA:出社ついでにDVD返却してほしいから
                      6位・(株) 奇譚クラブ:カプセル玩具もらえそうだから
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